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チラシの裏

多方面にネタバレを含みます。

差別とは何者か

カルフォルニアのディズニーランドのパイレーツオブカリビアンから人身売買の部分が差し替えられるそうで。
海賊たちが若い娘を花嫁オークションで売買するっていうのに対して、「女性差別だ」という非難が入っての措置ということなのですが、こういう時代背景もへったくれもない暴力的な配慮って嫌いだなあとしみじみ思います。
ウン百年も昔の、人間の倫理観が現代とは根本的に違った時代の事実に対して、現代の目線でやみくもに批判するのはナンセンスじゃないですかねえ…。
もちろん、いわれのない差別はよくないですし、人権軽視のこの時代に対して「こうはならないぞ」という戒めや怒り、違和感を覚えることは素晴らしく意義のあることだと思うんですけど、撤去してしまうという行為は、臭い物に蓋をするのに他ならないのではないでしょうか?

歴史ものの作品から、現代的な理由から喫煙シーンがカットされる事例なんかも最近は多いですけど、あれだって、昔はタバコはし好品だったし、もっと遡れば薬としての効能が信じられていた時代だってあったわけなのだから、現代目線の配慮配慮で撤去するのは、やっぱりナンセンス。

現実問題として、そういう歴史を積み重ねて今の時代があるのだ、と考えれば、逆にこういう描写を再現することで「そういう時代があった」と、いうことを知る機会になるわけですから。
こういう問題って、ただ教科書で習うよりかは、こういう作品の中で描写されたほうが心に残るものでもありますし。

歴史ものの作品を描く中では、「あえて嘘をつく」という場面は多々あります。
忠実に描写するよりかは、あえて嘘をついたほうがこのシーンはなじみやすいとか、いちいち講釈いれると読者がついて来づらいから、あえてアレンジしました、とかはあります。
でも、根本的な部分をひっくり返してしまうと、もう意味がなくなる場合もあるわけです。
今回の件はそこに抵触するんじゃないかなと思いました。

大体、差別描写を入れることの本位は、「その時代はそうだった」という事実がありきのことで、「こういう時代があったから、現代でも差別しましょう」と正当化するために入れることはほとんどないはずです。
本位が、その意図が、どこにあるのかを見つめる努力をやめて、暗い過去を隠してはいけないのでは?と。
何かにつけ、受け入れることが求められる現代、「差別があった過去を、忠実に描写する」ことに対しても、寛容であればいいのになあと思います。

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