FC2ブログ

チラシの裏

多方面にネタバレを含みます。

劇場版この世界の片隅にを見ました。

見てきました!
えらい評判がいいので期待値あげていいのか…?とびくつきつつも、(いやでも原作3巻分を再編成するのは相当にムズカシイはずだし!主演もあれだし!)と恐る恐る見に行ったのですが、結果・とてもいい作品に仕上がっていました…

原作からちょこちょこエピソードを削りつつも、一本のアニメーションとして成り立つようにまとめあげられているのがよかったです。
軍事関係や空襲関係は音と動きがつくことで原作よりもかなり膨らませられていて、アニメーションならではのアプローチで「日常に戦争がやってくる」という非日常の違和感を叩きつけてきたのがすごかった。片渕監督は航空史家でもあるということですが、その能力がいかんなく発揮された画面作り・音作りでしたね。空襲の得体のしれない恐ろしさみたいなものがアニメーションで音と動きを持つことで非常に肉薄したものになって、とても怖いと同時に、すずの瞳を通して描かれる銃撃の煙の描写の美しさ、相反するものをさらりと融合させてしまう、ああいうアニメづくりができるのは本当にすごいと思いました。原作の「それは確かに誰かの夢であり、同時に誰かの悪夢である」って部分をアニメにするとこうなるのかなと。
私事ですが、祖母の戦争体験で、小学生の時に一人留守番をしている最中に空襲にあってとても怖かった、と聞いたことがあるのですが、そりゃあんなのを一人で経験するのは怖すぎる…と、本作を見て腹の底にすとんと落ちてくる感覚になりました。音が無乾燥だからまたリアルなのかなー自分は軍事的なネタはあまり詳しくないんですけど、そういうの興味ある人が見たらかなり面白い(不謹慎ながらこう表現する)のではないかと思いました。

実は事前に購読した「ユリイカ」でリンさん関係のエピソードはほぼカットとあって(リンさん抜きでどうすんだよ!!!!)となってたんですが、そこもうまくカットしたなーと。原作ではリンさんの存在はかなり大きなものだったので、リンさん抜きどうやって回すんじゃいって感じだったんですが。後でインタビュー記事とか見ると、映画は要素を削るにあたって、径子お姉ちゃんとすずに焦点をあてた感じでまとめたそうで…。それがいい感じに功を奏したのだと思います。
でもなんだかんだエンドロールその2でリンさんの話は昇華されるので、原作ファン的にはたまらない演出でした。

そして、本作で何より嬉しかったのは、エンドロールの径子お姉ちゃん。
私は原作では径子お姉ちゃんが一番好きなのですが、エンドロールの彼女がそれなりに幸せそうに微笑んでいる姿に本当に胸をうたれました。あのエンドロールがあっただけでも、このアニメが生まれた意味はあったというか。これは本当に監督に心から感謝したいです。
それにしても、改めて声に出して聞くと、径子お姉ちゃんの「わたしゃ好いた人に早う死なれた。店ものうなって、子供とも会えんくなった。ほいでも、不幸せとは違う。自分で選んだ道じゃけえね」って言葉はすごいなと思った。自分で選んだ道とは言え、彼女の境遇はそれなりに理不尽なもので、それでも【不幸せではない】と言えるのは、たとえそれが強がりでも、すごいな…と。
そんな彼女も、終戦の玉音放送の後に空襲で失った娘を思って慟哭するわけで、あの言葉があるから余計にあのシーンはとてつもなく胸に迫るわけですが。なので、エンドロールで、すずが広島から連れ帰った娘が作ったワンピースを着てうれしそうに微笑む径子お姉ちゃんが見れてたのは本当に嬉しかったです・・

なお主演の、すずの声については後半はいいものの、前半はいまいち下手すぎて(もったいない!)と思っちゃいました。
主演以外の声がいい分、未熟さが表にでてしまってなあ…。願わくば別の声の演技がちゃんとできる人の声で聴きたかった。
そうすればもっといい印象だったろうになあ。残念っす。

---

これは原作ファンならでは、ですが、もう誰がどういう運命をたどるかわかった上で見る映画だったので、晴美ちゃんの初登場シーンはその愛らしい声と仕草に涙ぐみ、刈谷さんが隣保館の前に立つカットを見ては涙ぐみ、涙腺が終始えらいことになってました。
晴美ちゃんは本当にかわいらしかった。中の人すげえ。
すみちゃんもめっちゃ可愛かった。すみちゃんにも、幸せになってほしいなあ…。

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://ki3ragi.blog51.fc2.com/tb.php/558-1d1253c2
該当の記事は見つかりませんでした。